Hi-MAG北海道・日高の
ウェブマガジン

浦河のJAZZ
-立花泰彦ソロライブ at 大黒座-

札幌のジャズマニアの友人から「日高で仕事をしているなら、是非、ベースの立花泰彦さんのライブに行っておいで」と勧められたのが昨年のこと。今日は念願の立花さんソロライブを見に浦河の映画館「大黒座」へやってきました。
ピアノやギターのソロならばともかく、ベースソロはとても珍しい。ジャズの店で働いたこともあるけど、ライブで見るのは僕は初めてです。

「大体、60分を予定していますが、疲れたらやめます」と、ベテランらしいMCになごむ会場。
曲目は、スタンダードナンバーRound about midnightから、映画音楽、ビッグバンドのためのオリジナル曲まで、とにかく幅が広い。
「疲れたらやめます」との前置きながら、立花さんのスタイルはかなり尖ったフリージャズ。ベースという楽器の表現の限界を引き出そうとするかのような、アグレッシブな演奏が繰り広げられる。

演奏後には、インタビューに応えていただきました。
2011年から現在まで浦河町を中心に活動をしている立花さんの出身は九州だそう。
「父親の転勤で東京に移り、18歳のころ新宿歌舞伎町のダンスクラブのバンドで演奏を始めたのがベーシストとしての出発点だった。70年安保のころに東京にいたから、新宿は面白かったよ。ジャズといえば、俺の中ではフリージャズ。はじめはキャバレーみたいな場所の仕事ばかりで、その界隈に知り合いが居なくてね。もっと好きなことやりたかった」
やがて人を辿ってフリージャズへの道を切り拓いていった立花さん。音楽活動の遍歴を聞いていくと、板橋文夫、渋谷毅、小山彰太と、レジェンドの名が次々と上がりました。

立花さんの月例大黒座ソロライブは2015年より続き、今回(取材時2026年5月現在)で119回を数えます。
「東京で演奏する時って、僕のこと知ってる人しか来ないもの。浦河では、スーパーの買い物ついでに来るお客さんもいる。そうすると、鍛えられるんですよ。何を演奏したらいいかわからなくなって。初めの頃は、映画音楽を弾いてみたり…と、逃げるわけです。でも、あるとき完全即興をやったら、明らかにジャズに明るくない人が『素晴らしい』って言ってくれた。『これならいいでしょう』というのは、ダメなんだと教えてもらえた」

2ヶ月後の7月、立花さん自ら率いるビッグバンド「トータル・ノックアウト・オーケストラ(TKOO)」の公演があると聞き、すっかりファンになってしまった僕は、札幌「くう」でのTKOOライブに行きました。
ここはあえて断言させてください。こんなに熱いライブはそうそう見られるものではないです。立花さんによるオリジナル曲はダイナミックでスリリング、それでいて映画のように情景が浮かぶ繊細な感じがしました。「行ってよかった!」と思うと同時に、なんで今まで観にこなかったんだろうという後悔。リリースされているアルバムも素晴らしいので、ぜひお手にとってみてほしいです。

贅沢にもメンバー全員からサインをいただいたジャケット

TOTAL KNOCK OUT ORCHESTRA
横山祐太/trumpet 菅原昇司/trombone 坪田佳之/tuba 奥野義典/alto sax 吉田野乃子/alto sax KIM YOOI/tenor sax 竹内宏峰/baritone sax 池田伊陽/guitar 中島弘恵/piano 立花泰彦/bass 小山彰太/drums
ライブのスケジュールはこちらから TKOOのTwitterTKOOのfacebook

月別アーカイブ
タグ一覧