えりもの春には何がある? -Day1-
森進一の名曲『襟裳岬』(1974)。この曲の歌詞の一節が、ずっと気になっていました。それは「襟裳の春は何もない春です」という一節です。
Wikipediaによると、作詞家の岡本おさみさんが襟裳岬を旅したことがきっかけとなり、この歌が生まれたとのこと。“何もない春”についてのエピソードもありました。
岡本おさみは襟裳岬へ旅行した時、漁師に「いいとこですね」と話しかけたら、北海道の人特有の素朴な言い方で「なんもないんだー」という答えが返って来た。そこで「何もないの、いいじゃないですか」と言ったら「なんもないんだ。焚火してるしか、しょうがないんだ」とまた素朴な答えが返って来た。それで最初、「焚火」という仮タイトルで拓郎に歌詞を渡したという[2]。ヒットした当時、襟裳岬のあるえりも町の人々は、サビに登場する「襟裳の春は何もない春です」[17]という歌詞に、「何もない春」なんて無いと反感を持たれ、渡辺プロや作詞者の岡本宅への抗議の電話もあった[18]。しかし、襟裳の知名度アップに貢献したということでそういった反感も消え、後にえりも町から森に感謝状が贈られた[10]。反感を買ってしまった「何もない春」の部分であるが、実際は作詞した岡本おさみが襟裳に訪れた時に大変寒く、民家で「何もないですがお茶でもいかがですか?」と温かくもてなしされたことに感動して作詞したものであった。
日高エリアの最南端、襟裳岬はえりも町にあります。襟裳の春には何があるのか、5月下旬に1泊2日で訪れてみました。

DAY1
新冠を昼過ぎに出発し、国道をひたすら南下すること2時間弱。たどり着いたえりも町は、あいにくの雨でした。気温も10℃前後。そんな天気ですが、今日は特に予定もない日です。たとえ天気は悪くとも、今回の目的地のひとつである襟裳岬を目指し国道をさらに南下することにしました。
襟裳岬には、風の館という展望施設があります。襟裳岬は、「風極の地」とも呼ばれ、風速10m/s以上の風が年間260日以上も吹くという日本屈指の強風エリア。その風に負けないためなのか風の館も石造りの見るからに強固な建物です。この日も強い風で、車から出ようとするとドアが強い力であおられます。

風の館には、グッズコーナーや展望スペースがありますが、一番人気なのが風体験コーナーです。なんと風速25m/sを体験できるというもの。風速25m/sは瓦が飛んだり、木が倒れたり、災害級の強風です。巨大な送風機の前に立つと直立できません。

岬の全貌を見ることは叶いませんでしたが、だからこそ襟裳岬のエクストリーム感を体感できました。この「強い風」は、なかなか貴重な体験。えりもの魅力を早速発見できました。
夜は、編集部のメンバーに教えてもらった「いさみ寿し」へ。この町で50年以上続く名店です。実は今回楽しみにしていたことの一つに、「春うに」がありました。えりもの春は、うにも有名なんです。ただ、近年は赤潮の被害でうにが獲れず…。目当てのうには食べられませんでしたが、大将の丁寧な仕事がほどこされたお寿司はとても美味。うにの回復にはもうしばらく時間がかかりそうとのことでしたが、来年に期待したいと思います。「いさみ寿し」のもぐもぐ探検隊記事はこちら
ちなみに、うにの代わりに大漁だったのがオオズワイガニ。あまりに獲れすぎて、漁協が無料で配っていたそうです。この日は大将の粋な計らいで、ありがたくいただきました。冬になると毛ガニも楽しめるそう。海鮮もえりもの魅力のひとつです。
いさみ寿しの後は、近くのスナックで軽く飲みつつ早めの就寝。天気の回復を祈りつつ翌日に備えました。
Day2へ続く

