馬産地日高の醍醐味 〜ホロシリ乗馬クラブでホーストレッキング〜
ご存知の通り、ここ日高は全国有数の馬産地。タイトルを見て「そりゃあ、日高なら乗馬体験の一つや二つはあるでしょうよ」と思われた方、最後まで読まないと損ですよ。今回は、新冠町にあるホロシリ乗馬クラブさんの特別な魅力を紹介します。

ホロシリ乗馬クラブの特別な魅力—その1「ホーストレッキング」
これは実際に体験した僕も驚いたのですが、まさにホースでトレッキング。つまり、馬に乗って、林間コースを歩くことができるアクティビティなのです。一般的に乗馬体験と聞くと、「柵で囲われた体験ゾーンで恐る恐る乗ってみる」とか「スタッフが馬を曳いてくれて、平地をパカパカと歩いてみる」といったイメージではないですか?ホロシリ乗馬クラブではどうかというと…


全国に乗馬クラブは数あれども、こんなふうに起伏のある林間コースを歩くというのは、どこでもできることではないそう。個人的にグッと来たのは、途中で馬が文字通り「道草を喰う」ところ。「仕事中なんだけどさ、これが美味いんだよなぁ」と、馬の心の声が聞こえてくるような愛おしいひとコマ。手綱や鞭の扱いは親切なガイドさんが先導しながら教えてくれますし、平らな砂地で練習してから山道に入るので、初めての方も安心のトレッキングです。

ホロシリ乗馬クラブの特別な魅力—その2「ホンモノの競走馬に乗る」
ホロシリ乗馬クラブに在籍する馬は、そのほとんどが引退した元競走馬。中には種馬クラスと言われる重賞勝ち馬まで。聞くと、競馬をやったことのない僕でも知っている、かつての「ハイセイコー」や「ナリタブライアン」をはじめ、歴史に名を刻んだ馬たちが日高から育っていったそう。競馬ファンならピンと来る「あの名馬」も在籍しているのではないでしょうか。実際、「あの馬に乗りたい」とリクエストをされる方もいるそうです。幾多の馬場を駆け抜け、馬券の数だけ涙と喜びを生んだ競走馬も、今は静かに第二の馬生を歩んでいる… そんなドラマを思い浮かべるのも一興。
厩舎から顔を覗かせる馬たちを眺めていくと、戦績の良かった子は顔立ちがキリッとしていたり、おっとりした子もいたり。それぞれに性格や表情があって面白い。僕はこちらで乗馬を体験してから、呼び方が「あの馬」から「あの子」に変わってしまいました。自分より大きくて強い生き物だから初めは少し恐かったりするけど、馬って接しているとどんどん愛着が湧く不思議な動物です。現代ではペット以外の動物に触れる機会ってそうそう持てるものではないですよね。そう言う僕も、仕事ではコンピューターに向かっている時間がほとんど。AI時代にまで突入した今だからこそ、こういう体験に一層の価値がある気がします。

コースを回り終わったら、ご褒美の「にんじん」の時間。ぼりぼりぼり。取材に協力してくれたこちらのお客さんも、やっぱり「うちの子に」って言っていました。そんな「うちの子」とのツーショットを撮ることもできますし、記念のポストカードも揃っています。

クラブ利用者の中には馬術競技の練習をする方もいるらしく、障害物が置かれたフィールドでプロのスタッフがトレーニングをしている様子が見られました。今日はコンディションが良くないのか、「昨日までの調子はどうしちゃったの?」と話しかけている声が聞こえてきます。だからこそ、日々のトレーニングが大切なんでしょうね。
上がる砂煙と蹄の音を間近で感じられる贅沢。そして、この跳躍。

今回取材した「体験林間コース」は50分で9,000円。その他にも経験に応じたコースがあり、レッスンや小さなお子様向けの「曳き馬」メニューも。
人気の乗馬体験なので、ご利用の際は、まずは事前にお問い合わせを。希望の方には新冠駅からのバスの無料送迎もあるそうです。
TEL:0146-47-3351 [ホロシリ乗馬クラブ]ホームページ
乗馬の充実度もさることながら、クラブ全体が公園のように手入れされていて、とっても綺麗。日帰り入浴ができる温泉施設「レ・コードの湯」とパークゴルフ場も連なっているので、この辺りで半日ゆっくり過ごしてみるのもいいですね。ホロシリ乗馬クラブ、ぜひ一度はお試しあれ。

Hi-MAGでは過去に生産牧場や装蹄師の方の取材も行っています。ご興味を持たれた方は、こちらも合わせて読んでみてください。
小林大賀
#競走馬 #アクティビティ #観光