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思い出は日高に④ NIKAP(ニカプ)へ!

私は静内(現・新ひだか町)で育ちましたが、出生地は隣町の新冠です。これを知ったのはいつのことだったか。母が「新冠の病院であんたを産んで…」と話しているのを聞いても、当時は特に疑問を抱きませんでした。しかし、6月末にたまたま帰省した際、ふと気になり改めて訊いてみたのです。

理由はまさかの「静内には産婦人科がなかったから」。静内に暮らしている妊婦さんたちはみな新冠にある病院へ通い、出産もそこでしていたとのこと。小さな町ではそんなこともあるんだな。大きな街との違いに気づかされました。

「たしか国保病院っていう名前じゃなかったかな。あんたが行くNIKAPの近くじゃない?」

その日、私はちょうどHi-MAG編集部の小林大賀さんと三角みづ紀さんに会いにNIKAPへ行く用事がありました。なんという偶然。父に車で送ってもらい、約束時間まで少し余裕があったので、事前にマップで調べておいた新冠町立国民健康保険診療所を見てみることに。

私が産まれた病院。位置や建物は昔も今も変わらないのかな。2階の窓付近には看護師さんらしき人がいて、軽く目が合ってしまったので悩みましたが、せっかくだからと素早く写真におさめてその場を去りました。向こうからすると、おもむろにスマホで外観を撮ってそそくさとどこかへ行った不審者。怪しい行動をしてすみませんでした。

約束の時間になったのでNIKAPへ向かいます。Hi-MAGのサイトを通じて存在を知ってはいたものの、実際に見るととてもお洒落で洗練されており、地元の変化を感じました。

中ではちょうど「日高コズミック祭り」の関係者の方々がミーティングを兼ねた交流会をしているところでした。人見知りの私は数人の方に挨拶をしたあと隅の方で三角さんの到着を待ちつつ、今さらながら「コズミック」の意味をスマホ検索していました。

コズミック(cosmic):「宇宙の」「宇宙に関する」という意味を持つ形容詞。あー、だから「UFO呼ぶよ!」がキャッチコピーなんだ! 英語よわよわ人間、ようやく腑に落ちました。そうこうしているうちに三角さんが到着。

三角さんは、おもてなしとしてお寿司を買ってきてくださったのでした。「喜輪(きりん)って知ってますか?」。聞くと静内にあるお店だそう。同じ町なのに、恥ずかしながら初めて知りました。

そしてひとくち食べてびっくり! 食レポでもなんでもない単純すぎる感想で恐縮なのですが、めーちゃくちゃおいしかった。特に思ったのは「肉厚!」ということです。ネタはどれも贅沢なほど大ぶりに切られており、さらに一枚一枚が分厚い。素材ごとの味が口の中にじわーっと広がり、満足感を通り越して幸福感がありました。

だんだん日も暮れてきた頃、コズミック祭りの旗振り役である詩人の御徒町凧さんが「よし、UFO呼ぶ練習をしよう!」と音頭を取り始めました。楽しそうについていく面々。私たちも好奇心がわいて外に出てみました。

事前に調べたという「UFOを呼ぶ方法」。輪になって、隣の人と手のひらを合わせ、空を見上げて念じる。「あれ点滅してない!?」「来てる来てる!」「え、どこ!?」。輪の中からあがる笑い声が、高く広い空に響いていました。

「宇宙のきみへ」

前にテレビで見た外国のひと

言葉はまったく分からないのに

持っている表情は同じだった

怒っている

悲しんでいる

楽しんでいる

顔を見るだけでそのことが分かった

宇宙人はわたしたちの未来の姿

という説もあるみたいだけど

そこに表情の名残りはあるのかな

言葉はさ

あとからどうにでもなるものだから

調べないとわからない単語があるのはわたしも同じ

そこは擦り合わせてやっていこう

まずは共通するものを見つけたい

きみ という概念はあるよねきっと

食べ物は分厚いのがよい という価値観が

一緒だったら少しうれしい

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