いま、日高にいます⑦
2026年05月12日 火曜日
いま、日高にいます。
最近ほとんど札幌の家にいない。なぜだろう。
新冠への道中で「カトラリーってカラトリーだと思ってたんだよね。そっちの響きのほうが良くない?だからこの際、カラトリーでも良くない?」って話したら、ふーんって反応でした。わたしは四十五年間、カトラリーをカラトリーだと思っていたのです。
幼い鹿の姿がふたつ。草を食んでいた。先月はまだ小さかったお馬さんがちょっと成長していた。春めいた空気が初夏へと変化していた。白樺が緑を膨らませていた。
そうやって、わたしたちは夏へ向かっているのだと思いました。そうしてすぐに秋がきて冬がきて、年をとって、何度も季節がめぐって、いつかは死ぬ。カラトリーじゃなくてカトラリーだと理解したうえで。

判官館へ行ったら、あふれる鳥の声に遠くの潮騒が混じり、眩しくて、サンミケーレかと思った。イタリアのサンミケーレ島と似ている音と光。
判官館って日高のサンミケーレなんじゃないかって考えていたら、遠くで手を振る半袖のひとがいた。スパイスタイガーのヒロキさんだった。
永遠みたいな光景のなか佇むヒロキさんは、季節を問わず存在する半袖の男子みたいでした。さすがにまだ早くないか?半袖。
