ヒダカミビール「Mark 3」

地球の皆さんこんにちは。ビール醸造家(見習い) 伊藤 リョウスケです。
ヒダカミビール「Mark 3」の内容について。
前回の「Mark 2」のレシピから少し変更し、今回は よりチャレンジングな醸造方法を採用する事にしました。
〖今回 投入したホップの種類と特徴〗
【Bittering】
Saaz(Wassamu,Hokkaido)
Flavor key:フレッシュ、グリーン
北海道和寒町産ホップ。
力強い植物の香りと、ホールホップならではの瑞々しさ。
Saaz(Czech)
Flavor key:ウッディ、フローラル
非常にマイルドで心地よい、高貴なホップの香りが特徴。
香りはピルスナービールの特徴そのもので、日本人にとっても一番馴染みのあるホップ品種。
Polaris(German)
Flavor key:ハーバル、ミント
高いアルファ酸含有量(苦みの素となる成分)から、主に苦み付けの目的で使用。
クリーンで雑味のない心地よい苦み。
Hallertau Blanc(German)
Flavor key:シトラス、白ワイン
2012年にドイツで栽培が始まった比較的新しいホップ品種。
ドイツ産ホップ特有の上品さと、近年のクラフトビールの流行に倣った華やかな香り。
【Aroma】
Citra(US)
Flavor key:トロピカル、シトラス
ホップ界のスーパースター。世界で最も人気のあるホップ品種の一つ。
強烈な柑橘の風味と香り、トロピカルでジューシーなキャラクターを持つ。
Comet(US)
Flavor key:シトラス、ハーバル
1960年代から存在するホップで、クラシカルなアメリカンスタイルのビールに使用されてきた品種。
シトラスの爽やかな香りに加え、独特の草やハーブの要素も感じられる。
「ワイルドアメリカン」と表現される唯一無二のキャラクター。

最初のタイミングで投入するホールホップ(道産のホップ)については、変更なく前回と同じタイミングで投入。『それ以外のホップ』と、それぞれのホップを投入する『タイミング』を変更したんです。
前回まで採用していた、仕込み中のオーソドックスなホップの投入方法から、より後半のタイミングへホップの投入を遅らせた。それにより発酵タンクにホップの成分が溶け込み、活発に発酵するタンクの中でホップアロマが若ビールと混ざり合うという仕組み。
つまり、よりホップの香りが引き立つ香り豊かなビールを目指してみよう!という試み。
ホップの種類も若干変更、その理由はホップ産地の収穫年度が少し悪く、あまり香りが出ない印象のホップをスタメンから外し、今一番状態の良いホップをフィールドに送り込みました。(ホップも植物なので天候などの影響を受ける)

本来『アロマホップ』というものは【発酵後】に香りを付けるために投入するのが一般的だが
今回は【発酵前】に投入するという製法を採用。
この製法は、月と太陽BREWINGでは初めての試み。決して「当たって砕けろ」的な事ではなく、全国津々浦々で日々切磋琢磨しているビール醸造家達とのコミュニケーションの中から得た有益な情報を元に自信を持って採用を決定した。醸造長の佐々木くんが。(一部大手企業も実践している)

『ドライホップ』という発酵タンクに直接ホップを投入し、香りを付けるための製法がありますが、液体がほとんど動かずホップの溶けが悪いという問題があります。今回は【発酵前】により多くのホップ成分を麦汁に溶け込ませることにより、ドライホップ以上のホップアロマが表現される効果を狙っている。月と太陽BREWINGではこの製法を【AF1】「アクティブファーメンテ―ション」(A=活動、F=発酵、1=1日目)と呼称している。

そして今回の仕込みは「満月」(月蝕)の日を狙って行った。山木将平も参加。チーム一丸となってビールが美味しくなる様にポジティブ周波数をタンクに封入した。(こういうスピリチュアル的な事って結構効くものなんです)たぶんだけど。

変更した事はもう一点ある。
それは【昆布】。昆布は前回よりも3倍の量を投入する事にした。昆布が醸造後、ビールの中でどの位置にいるのか?をしっかりと認識が出来れば、と思っている。皆さんにも是非「Mark 2」と「Mark 3」を比較し昆布がどこに存在しているのかを探ってみて欲しい。

やりたい事は本来、ダシとビールの【BX】(バイオトランスフォーメーション)なのだから、当然ここの部分においての実験は捨て置けない。
「ちょろちょろレシピを変更して、味が定まってないじゃん」なんて声も聞こえてきそうだけど、僕たちがやっている事は、既に十分 美味しいビールをさらに美味しく するためのブラッシュアップだという事だけは、伝えておかなければいけない大事なポイントだ。

そんなヒダカミビール「Mark 3」はGW前後~6月後半くらいまでのリリースになると思うので、是非とも手に取って飲んでみて欲しい。
最近では「こんなラガービールを待ってた!」なんて、嬉しい声もいただいています。
では。
-飲めるお店と買えるお店-
札幌、月と太陽BREWING (樽生、ECサイトで缶も販売してます)NO WHERE COFFEE(缶)
日高、SPICE TIGER(樽生) すし居酒屋 喜輪(樽生)やきとり いかうし(缶)
購入は三石こんぶ温泉蔵三、地酒と米のときわ、新冠道の駅、ビックリッキー静内店
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